食べナイ「いなかもち」❶

以前、こちらの記事でヘルスリテラシーについて取り上げました。

そのなかで、「いなかもち」というキーワードが出てきました。

これは正しく医療情報を活用するためのテクニックで、聖路加国際大学学術情報センターにて提唱されたものです。

今回は「いなかもち」を参考に、医療情報の見極め方を勉強していきます。

1. なぜ、ヘルスリテラシー?

そもそも、なぜヘルスリテラシーが大切なのか、インターネットを例に少し考えてみます。

インターネットは誰もが自由に、簡単に、早く使えるとても便利なものです。でも、同時に情報をネット上に書き込むことも、これまた自由に、簡単に、早くできてしまいます。

正しい情報だけがネットに書いてあれば、何も問題ないのですが、実際はそうではありません。

実際にコロナ禍では様々なデマが流れてニュースに何度も取り上げられていました。その中には、悪い目的のために意図的に書かれたもの、投稿者の知識不足によるもの、親切心で拡散されたもの、など様々な場合がありました。

SNSの発達によって、間違った情報が急速に拡散してしまうことも珍しくなく、よく目にするからといってその情報が正しいとは限りません。昔に比べると、信じていい情報かどうかを判断することが難しくなってきたと言えます。

それほど重要ではない調べものなら、「なんや、ウソやったんか」で済むかもしれません。でも、自分の身体のことや家族の健康のことであれば、かなりショックを受けると思います。

そんな嫌な思いをしないで済むように、医療情報を判断する力(ヘルスリテラシー)を身につけていくことがとても大切となります。

2. ヘルスリテラシーで変わる未来

ヘルスリテラシーが高くなったら、具体的にどう変わってくるのでしょうか。

  • 健診やワクチンを利用して病気の予防と早期治療を行える
  • 病気や薬の正しい情報を調べて、治療のメリットとデメリットを理解できる
  • 薬を間違わずにきちんと服用できる
  • 病気の自覚症状を見逃さずに、必要に応じて医療機関を受診できる
  • 健康的な生活を続けて、慢性の病気を悪化させずに済む
  • 健康的な行動習慣を確立できる
  • 医師や看護師に上手に相談でき、必要な診察などの支援を受けることができる

引用元)

•https://www.kddikenpo.or.jp/support/kenkokanri/literacy/
•Ishikawa, et al, Health Promot Int, 2008.
•Wagner, et al, J Epidemiol Community Health, 2007.

良いことばかりですね。こうなるための秘訣が「いなかもち」です。

「いなかもち」は、医療情報を調べる上で大切な5つのポイント『いつ・何のために・書いた人は誰で・元ネタは何なのか・違う情報と比べたか』の頭文字をとったものです。

それぞれひとつずつ見ていきましょう。

3. 《い》・・・いつ書かれた?

検索して、ある記事にたどり着いたら、まず最初にチェックするのが「記事公開日」や「記事更新日」です。

情報は鮮度が大事という言葉もあり、公開日があまりに古いものや、古いまま全く更新されていないものは注意が必要です。

とは言え、医学に関する知識や技術などは、それほどコロコロと新しいものが出てくるわけではありません。

個人的な印象としては、『3年以内』に公開もしくは更新された記事を参考にするのがいいと思います。

閲覧しているサイトの他の記事も覗いてみて、全てが更新されていないようであれば、情報が古い可能性が高いので気をつけましょう。

記事の公開日や更新日は見出しの近くに書かれていることが多いのでチェックしてみてください。

4. 《な》・・・なんのために?

その記事が何のために書かれたものかを確認することも重要です。

「トップページ」や「〇〇(会社名/ホームページ名)について」 などのページには、どういった目的でそのホームページが運営されているのかが書いてあったりします。

チェックするポイントは、その記事を書いている個人や会社にとって、記事の内容が自分たちの利益に繋がるのか、という点です。

例えば、サプリメントを売る会社のホームページに、「〇〇という成分が健康には重要です」という記事の最後に、その成分を含んだ自社のサプリメントの広告があったりします。

広告があるからダメではなく、その記事の目的を知ったうえで記事に書いてある情報を判断することが大切です。

5. 《か》・・・書いたのは誰?

誰がその記事を書いたか分からないものは信用していいのか判断が難しくなります。

なるべく書いた個人や会社がわかるものを選ぶといいです。その上で、「どんな人や会社が書いてるんだろう?」と簡単にチェックしてみましょう。

個人が書いている場合、職種や所属学会、経歴などを見ておくと参考になります。

学会とは、「それぞれの学問分野で、学術研究の進展・連絡などを目的として、研究者を中心に運営される団体(goo辞書より引用)」のことです。

医学分野にはかなり多くの学会があり、入会に評議員の推薦等が必要な学会もあれば、入会資格審査のない学会もあります。

ちなみに側弯症関連については、日本側彎症学会という学会があります。ホームページには参考になる情報いっぱいあるので一度、覗いてみてほしいと思います。

少し長くなってしまったので、『いなかもち』の『もち』についてはコチラで説明します。

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