学校の運動器検診ってなに?

全国の学校では児童生徒等の健康診断が義務付けられています。

これは、学校教育法や学校保健安全法の規定に基づいて行われています。

学校で行われる健康診断の内容は、身長・体重・視力・聴力などをはじめ様々あります。

検査項目は時代の流れとともに変わっている部分もあり、過去には色覚・座高・寄生虫卵の有無なども検査していましたが現在ではこれらの項目は削除されています。

一方、背骨に関する検査については、1897年の健康診断に初めて「脊柱」という項目が加えられ、1979年には側弯症の発見を主な目的とした「脊椎検診」がはじまりました。

「脊椎検診」は「側弯症検診」とも呼ばれ、今ではもうほとんど使われることがなくなったモアレ検査などが行われていました。


このように背骨の検診が長く続いたわけですが、近年、経済発展や社会環境の変化とともに、児童生徒等の運動に関わる筋・骨格・神経など(筋・骨格・神経系を総称して「運動器」と呼びます)の問題は背骨だけでなく他の関節にも起こっていると指摘されてきました。


そのような状況の中、2014年に「学校保健安全法施行規則の一部を改正する省令」が公布され、「四肢(手足)の状態」を必須項目として加えるとともに、「四肢の状態を検査する際は、四肢の形態及び発育並びに運動器の機能の状態に注意すること」が規定されました。

そこで、2016年からの健康診断では、「脊柱及び胸郭の疾病及び異常の有無並びに四肢の状態」の検査が実施されることとなり、四肢を含めた運動器全体を検査することになりました(これを「運動器検診」と呼びます)。

検診時期については、2016年から、小・中・高等学校及び高等専門学校の全ての学年で実施することとなっています。

◆運動器検診の流れ◆

  1. 事前に配布された調査票を保護者が記入 ※調査票の一例
  2. 調査票をもとに学校関係者がチェック
  3. 学校医による検診
  4. 異常の可能性があれば整形外科受診勧告
  5. 整形外科を受診
  6. 診察結果を学校へ報告 ※報告書の一例

※地域によっては、学校医による診察の前に、運動器機能予備調査として理学療法士などが児童生徒等の身体をチェックすることもあります。

◆運動器検診のチェック項目◆

  1. 背骨が曲がっている
  2. 腰を曲げたり、反らしたりすると痛みがある
  3. 上肢に痛みや動きの悪いところがある(肩や肘)
  4. 膝に痛みや動きの悪いところがある
  5. 片脚立ちが5秒以上できない
  6. しゃがみ込みができない
  7. その他(足部の異常など)

運動器検診とはどんなものか少しイメージがついたでしょうか?☺️

もし、学校医から整形外科の受診を促された時はなるべく早く受診するようにしましょう💡

ちなみに

家庭でできる運動器検診のセルフチェックなんかもあります❗️

側弯症に限らず、子供の身体の不調は親御さんが発見することも多いです👀

どんなところをチェックしていれば良いかの参考になりますし、是非試してみてください😊

【参考資料】

»日本学校保健会『児童生徒等の健康診断マニュアル』.pdf

»日本学校保健会『学校における運動器検診に手引』.pdf

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