脊柱側弯症検診機器に関するお知らせ (側彎症学会)

日本側彎症学会のサイト上で【脊柱側弯症検診機器に関するお知らせ】が公開されています。

日本側彎症学会「脊柱側弯症検診機器に関するお知らせ」


2025年4月8日
一般社団法人 日本側彎症学会
理事長 髙橋 淳


2020年度に「成育医療等の提供に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針」が閣議決定され、学童期における脊柱側弯症の早期発見が方針内に盛り込まれました。これを受け日本側彎症学会を中心に、全国の児童・生徒が等しく適切な脊柱側弯症検診が受けられるよう、検査機器を用いた脊柱側弯症学校検診を普及させる事業を開始しております。

2022 年度には、文部科学省により「脊柱側弯症検診に関する調査研究事業」が始まりました。2023年には、民間の委託企業とともに、検査機器を用いた脊柱側弯症機器検診の実証実験を実施しました。その成果物として、2024年3月に同省ホームページ上に導入マニュアルとなる「検診機器を用いた脊柱の検査の準備の手引き」が公開されました。

そして2024年度には、文部科学省補正予算の成立によって「脊柱の検査等に関する理解増進事業」の実施が決定しました。本事業は、脊柱の検査の意義や脊柱側弯症等の疾病への理解等が教育現場において着実に進むよう、教育行政関係者や教職員等を対象に、検査機器を用いた脊柱の検査等にかかる体験会の開催・周知資料の作成等を行うというもので、2025年度に実施を予定しています。

以上のように脊柱側弯症機器検診の全国展開に向けて、着実に歩を進めていますが、現在、購入可能な脊柱側弯症検診用背部画像撮影機器3機種、Di-Boss、SCOLIOMAP、3D back scannerのうち3D back scannerが2025年5月31日をもって販売終了となる事案が発生しました。脊柱側弯症機器検診の実施において、検診機器の調達および保守点検・修理対応の継続は最優先事項であり、それに影響する本事態は大変由々しき問題です。本機種は、医療機器として承認され文部科学省のモデル事業でも主体的に用いられた実績があり、またすでに多くの自治体で利用されています。他 2 機種の販売は継続中とは言え、その機器検診事業への影響は計り知れません。

そこで本学会から、製造販売元に、脊柱側弯症機器検診を推進している中でこのような状況が生じたことに対して遺憾の意を表明するとともに、早急に解決策や改善策を検討し、児童・生徒や保護者、検診に関わる組織・団体に対してその詳細を説明するように要請しております。しかしながら、その後、製造販売元から回答があり、現時点では対応が困難であるとの見解が示されました。本学会としては、この結果を受け止めつつも、引き続き関係各所と協議を重ね、検診の円滑な実施および児童・生徒の健康管理に支障が生じないよう、さらなる改善策を模索してまいります。

児童・生徒や保護者の方々をはじめ、関係者の皆様には、多大なご迷惑、ご心配をおかけしておりますが、本学会としては、今後とも児童・生徒の心身の健康を守るため、本事案の打開に向けた努力を惜しまず継続してまいります。

本件につきまして、ご理解を賜りますとともに、引き続きご支援・ご協力のほど、何卒お願い申し上げます。


検診機器3D back scannerについては以前の『ニュースブログ』でも取り上げていましたが、現在は販売廃止が決定しており、とても残念です。

側弯症の早期発見で重要な運動器検診(側弯症検診)の課題解決が一刻も早く進むことを期待したいです。

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