側弯症は遺伝要因と、環境要因の両方が影響して発症するといわれています。
今回のスタディでは、環境要因について研究で報告されていることを簡単にお伝えします。
と、その前に、、「環境要因」とは??
遺伝要因は「親からの遺伝の影響そのものなんだろう」と想像しやすいと思いますが、一方で環境要因はあまりピンっと来ないかもしれません。
「環境要因」とひとえに言っても、家庭環境・食事・睡眠・運動・学校生活・趣味などありとあらゆる影響が含まれます。
ただし、研究ではそれら全てを調べることは現実的に難しいので、それぞれの研究者が項目を絞って調査しているのが、実際のところです。
今回は日本人の側弯症の方を調べた、大規模研究をご紹介します。
この研究では、以下の生活習慣などが調査されました。
- 通学鞄の種類(肩掛け、リュック)
- 鞄の重さ
- 勉強時間
- テレビを見る時間/見る姿勢
- 睡眠時間
- 寝る姿勢
- 寝具の違い(ベッドor布団)
どれも普段の些細な習慣ですね。
さて、肝心の調査結果は..
「これらの生活習慣はどれも側弯症の発症とは関連が少ない」ということがわかりました。
これらの結果だけみると、普段の姿勢や習慣も、あまり神経質に考えなくてもいいかもしれません。
ただ、その一方で、側弯症の進行との関連は、この研究の結果からは分かりません。
側弯症の発症には関連がなくても、進行とは関連が強い生活習慣があるかもしれません。
それを知るためにはこの研究とは異なる、縦断研究という種類の研究が必要となります。
このあたりのお話も近々お伝えしようと思います。
今回のまとめです。
✅通学鞄の種類や重さ・勉強時間・テレビを見る時間や姿勢・睡眠時間・寝具の違いや寝る姿勢は、側弯症の発症にあまり関連しない。
✅これらの習慣が、側弯症の進行と関連しているかはわからない。