《側弯症の治療方針》とは?
大まかな治療方針を知っていると病院を受診するときなどに役立つと思います。
今回のスタディは一般的な側弯症の治療方針について解説します!
側弯症とは、体を前からみた時に、脊柱が側方に曲がっている状態のことをいいます。
側弯症にも種類がいくつかあり、最も多く大部分を占めるのが「思春期特発性側弯症」です。
これは遺伝的な要素と環境的な要素が関係しあって発症すると考えられていますが、はっきりとした原因はいまだに明らかとなっていない疾患です(「特発性」とは「原因がはっきりしない」という意味です)。
思春期特発性側弯症の特徴は”成長期に進行しやすい”という点です。
そのため、時期を見計らって治療計画を立てることが大切になります。
つまり、時期に合わせて対応をしっかり取ることで治療成功につながる可能性が高くなるというわけです。
今回は、思春期特発性側弯症の治療方針について大まかなポイントを押さえられるように、まとめました。

⚠️治療方針は、様々なことを考慮して決定されます。ここでお伝えするのは教科書的な一般的なものです。
必ず、かかりつけの医療機関や主治医と相談してください🙇
【思春期特発性側弯症の治療段階】
治療の段階には大きく3つあります。経過を観察する、装具治療に進む、手術に踏み切るといった流れになります。
経過観察
定期的に医療機関を受診し、側弯の進行の程度をチェックし、治療の必要性や開始時期を見極めます。
経過観察と聞くと…
「2~3日様子をみましょう」、「痛みが引かなかったらまた来てください」など、とりあえず様子をみるといった印象を受けますが、特発性側弯症では定期的にレントゲンで弯曲の状態を確認することが目的とされます。これは適切な治療開始時期を見過ごさないためにも、とても大切なことです。
装具治療
側弯が進行してきた場合、あるいは今後進行することが予測される場合などに、進行を予防・改善する目的で側弯症用の体幹装具を使用することがあります。
装具治療には側弯の進行を防ぐ科学的な根拠があります。装具をきちんとすることで手術をしないで済む可能性が高くなります。
手術治療
装具治療では進行を抑えきれなかった場合、あるいは側弯による症状を改善させたい場合などに、全身麻酔による外科的手術に踏み切ることがあります。
脊柱の弯曲を改善する意味では、非常に大きな効果があります。手術にはチタン製などのインプラントが主に使用されます。ただし、側弯症の手術は基本的にとても大きな手術となるため、手術適応の判断は慎重にされることが多いです。
【治療方針を決定する指標】
治療方針を決める際の目安は大きく2つあります。年齢、弯曲の大きさ(Cobb角)です。
年齢
チェックする年齢には、実際の年齢と、骨年齢があります。
側弯症は一般的に若年者の方が進行するといわれています。また、成長速度が最大になる時に最も進行するともいわれています。
そのため、「側弯が進行する可能性=身体が成長する余力」とも考えられます。
具体的にみるポイントは、実年齢と骨年齢です。実年齢はそのまま何歳かどうかです。もうひとつの骨年齢とは、骨の成熟度合いのことです。
成長期や身長が急激に伸びる時期などは、実年齢だけで決まるわけでなく個人差があります。実年齢と合わせて、骨年齢をチェックすることで、個人個人がどの程度成長するかを判断しやすくなります。
骨年齢は主に骨盤あたりのレントゲンを撮って、判断されることが多いです。子供は大人になるにつれて一部の軟骨組織(いわゆる成長軟骨)は骨に変わっていきます。その軟骨組織がどの程度、骨に変わっているかをチェックすることで骨の成熟度を判断しています。
弯曲の大きさ(Cobb角)
弯曲の大きさを表す指標としてCobb角というものがあります。コブ角と読みます。コブ角は言い換えると側弯症の重症度です。
弯曲の大きさはコブ角と呼ばれる角度によって表現されることが多いです。
コブ角は大きいほど、進行もしやすいといわれています。
また、コブ角の大きさは症状とも関連しており、コブ角を定期的にチェックすることは治療の必要性や開始時期を判断するとても重要な指標となります。

コブ角についてはこちらのスタディブログもぜひ参考にしてください‼️
【治療方針を決定する際の目安】
弯曲の大きさ(コブ角)から治療方針を決定する際の大まかな目安は次の通りです。
実年齢からみた成長期の時期は、女児11.5歳、男児13.4歳といわれたりします。
また、10歳未満に発症する側弯症は「早期発症側弯症」と呼ばれ、急速に進行する可能性もあるため経過観察や治療開始時期の判断がより大切となります。
このようなコブ角の目安と、実年齢や骨年齢の状態を鑑みて治療方針が決定されます。
今回は一般的な治療方針に関して大まかにまとめました。
日本では、経過観察・装具治療・手術治療の3本柱で治療が進められることが多いです。一方、海外などでは4本目の柱として、運動療法が加わることがあります。
現状では運動療法の効果は科学的根拠が乏しいと判断されている部分もあり、日本ではまだ主流とは言えない状況です。しかし、装具治療と運動療法を併用することで、側弯症の改善や進行予防に効果があるとした研究も少しずつ増えてきています。
そのあたりの情報についても、またお伝えできればと思っています。
見やすく分かりやすいご投稿を、ありがとうございます😊
正にその通りで、娘もぐっと身長が伸びた時期に弯曲が進みました😢
そして、かなりの痩せ型です。
それにしても、相変わらずイラストが可愛い🩷
コメントありがとうございます‼️
身長が急激に伸びる「成長スパート」の時期は、本当にあっという間に進行してしまうことがありますね、、😣
イラストまでお褒めいただき恐縮です🙇